中脚の存在
- 金沢店
先日のブログで入社後の研修から約5カ月経過した
3度目の工場研修で知った興味深い事実についてお話しました。
それとは別に、今回の研修では私の中で大きくクローズアップされた存在もありました。
今日はそのことについてお話をしたいと思います。
ソファ底面中央にある中脚(なかあし)の存在はご存知でしょうか。
常に宙に浮いている脚で、私はTRESで働くまで知らない存在でした。
ソファの脚は必ず床に接しているという概念しかなかった私は
店頭で初めて中脚を見た時はとても不思議な気持ちになったのを覚えています。
この中脚は「補強用の脚」で、役割としては必要な時に
床に接して荷重を分散し、ソファを支えてくれます。
入社間もない頃は、大きめのソファに取り付けられている補助的な脚と
教わったのみであったため、研修で脚の説明を聞いた際に掘り下げて質問してみました。
イタリアソファの一流ブランドは長い歴史の中で中脚を採用するようになった
とのことで、数十年から百年近くメンテナンスをしながら使うことを想定すると、
長い年月の間にいくら剛性が高くても少しずつたわんで中央が少し下がる場合があります。
上記に補強用の脚としてソファを支えてくれるとありますが、TRESでも
イタリアメーカーと同じ発想で取り付けており、フレームの剛性が高いので
相撲取りが複数座らない限り中央の脚が接地することはありません。
納品の際はお客様の接地するようにとの希望がない限り5mm程度浮かせて置きます。
数年から十年程度では同じ状態であり続けるためフレームはたわんでいません。
しかし、衝撃的な大きな荷重や長期間の使用によるたわみに備えて
少し浮かせた中脚を設定しているのです。
中脚を取り付ける基準はメーカーによって異なりますが、TRESでは3つの基準を設けています。
① 左右の脚の内側の距離が1700mm以上である
② ①に該当しないが、奥行きが深い機種の2人掛け
⇒LA、LSC、GRVA、TRES-L、FSBなど
↓該当機種の納品事例(FSB)
③別注ソファで左右の脚の内側の対角距離がGRVA2人掛け(1857mm)以上である
中脚は常に宙に浮いているため(少し浮かせるのには意味があるのですが複雑ですので
今回は省略します)、時には接地させるのを忘れたと思われることもあるようですが、
ソファの耐久性を向上させるために、創業以来該当のソファには必ず取り付けています。
見えづらい位置にあり、ともすると忘れられてしまいそうな存在ですが、
ソファにとってはとても大切な役割を果たしている脚です。
今回の工場研修では様々な角度から質問したことで新たな発見がありました。
今後もソファについて疑問が生じた際は、たとえ小さな事でも詳しく追及して
知識を増やすことでお客様のお役に立てればと思います。
店内では常時20~30台のソファを展示しております。
是非ご覧になり、座り比べてみて下さい。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
TRES THE SOFA TAILOR kanazawa
石川県野々市市三納1-37-1
TEL 076-259-5702
営業時間 11:00~18:30