新型フットレストの開発
TRESソファを製作している工場スタッフです。
フットレストというと車の左足を置くペダルや新幹線のグリーン車の脚置きを連想します。
車のフットレストは今では標準装備ですが、20~30年前はスポーツカーにしか装備されておらず、標準装備している車に乗るのが憧れでした。
ソファ関係ではオットマンやスツールという呼び名で商品化されている場合が多く、
ソファに座る時に座面前に置いて脚を伸ばすのに利用する場合や、
来客時にソファと対面に配置して座面数を増やす目的で使用します。
新型フットレストはソファに座る時の脚置き専用のオールウレタン仕様の
新コンセプトの製品です。座ることはできません。
W=600mm D=400mm H=350mm
柔らかいウレタンで構成されているので、座面として使用すると傾いてしまって、
すわることはできません。脚をソフトに受け止める機能の製品です。
座面より50㎜程度低く、脚を少し下向きにサポートしてくれるので快適です。
かなり以前から漠然とフットレスト専用の商品を開発したいと考えていました。
座面と同じ高さのオットマンでは映画一本観終わると、脚を床におろして一休みしたくなります。
厚めのクッションを3個くらい重ねてソファ前の床に置き、脚と乗せるとかかとの当たる部分も柔らかくて、
脚も少し下向きで映画を見終えても床におろさなくても大丈夫な感じです。
そしてクッション3個なら上手く角をつまめれば片手で移動可能です。
そのコンセプトに基づいて再生ウレタンで製作しました。
軽量コンパクトで、リーズナブル価格がコンセプトの根幹です。
そのためにオールウレタン仕様でリサイクルウレタンを採用しました。
イタリア製の生地でも近年増えているリサイクルコットンやリサイクルリネン、
リサイクルポリエステルと同じ発想です。
PETボトルのような使用したものを再利用するのとは異なっていて、生産過程で出た端材を再利用する発想です。
工場でウレタンの端材はソファを製作するときにかなり発生します。
いままではお金を払ってウレタン加工会社に引き取ってもらってウレタンチップなどに再利用されていました。
環境への配慮からTRESはウレタンチップの使用は10年近く前から行っておりません。
リサイクルウレタン活用のためにヌーククッションの開発等を行ってきましが、
端材の発生量に対しては微々たるものでした。
今回さらに有効利用するために新型フットレストおよび数種類の新型製品の開発を行いました。
また、環境問題や作業者の健康管理のために水溶性の接着剤を本製品から使用開始しました。
まだまだ水溶性のウレタン用接着剤は自動車メーカーのような大手以外では採用実績は少なく
取り扱いは難しいのですが、今回の開発に合わせて思い切って採用しました。
設備等も従来の有機溶剤用とは別に準備する必要もありましたがトライしました。
量産のソファも年内には水溶性接着剤に変更予定です。
次回はリサイクルウレタン仕様の背クッション用スペーサーをご案内します。