ソファの歴史
- 金沢店
入社間もない私は、日々ソファに触れ、見ていてその歴史を知りたいと思いました。
世の中にある全てのモノには歴史がありますが、ソファにも長い歴史がありました。
ソファの起源
ソファのルーツは中東にあります。
中東の人々の主な移動手段はラクダに乗ってのもので、その際に身体の負担を
軽減できるように使用した敷物「settee(セッティ)」がソファの起源と言われています。
語源はアラビア語の「suffah(サファー)」=座りやすくした場所、に由来します。
またソファとセットで使われることの多いカウチの語源はフランスの古語「couchier(クシェ)」
=横たわる、が語源です。
家の中でも座る際に身体の負担を軽減してくれるものが欲しいという人々の想いが
ソファという家具を生み出したのだと思います。
ソファのイメージとしてお馴染みのカウチと呼ばれる「肘掛けや背もたれのある長椅子」という
デザインスタイルは18世紀のフランスで確立されたそうです。
宮廷の中で王室家や貴族など上流階級の人たちが、ゆったりとくつろぎながら
会話を楽しむために使われる長椅子として普及していきました。
当時の王族や貴族の間では、コミュニケーションとその関係性が重視されていた
こともあり、ソファは相手との距離を縮めつつも長時間の座姿勢も可能なもの
として欠かせないアイテムとなりました。
また、自分のステータスを確認する意味でソファに「装飾」を施していました。
日本におけるソファの歴史
日本においてソファやチェアが使われるようになったのは西洋風の建築が広まり始めた
明治時代で、上流階級の家庭や公共施設において少しずつ普及していきます。
一般の家庭でも使われるようになったのは戦後からでした。
庶民の暮らしでは、ちゃぶ台を囲んで座布団に座る生活様式が中心で、
畳に座るという文化がソファやチェアの浸透を遅らせてしまったのです。
戦後は日本人の暮らしが西洋化していく中で「応接間」という空間が広まり、
大切なお客様をお通しする場として対面するように応接セットが置かれるようになりました。
近代から現代のソファ
応接室を実際に使用することがほとんどないことが世間に
理解されるようになったのは、はるか昔のように思います。
それから応接室と茶の間を統合してリビングという概念が広く広まりました。
私が子供のころはお歳暮を持参する年末あいさつの来客や、年賀のお祝いに
親戚や仕事関係の方の訪問があり、その時だけ応接間を使った記憶があります。
扉を開けると誰もいない応接室はひんやりしていて、塗装で固めた木製の肘がある
応接セットは座りここちが悪く、冷たくてかたい革の感触の記憶があります。
そもそも応接セットを買うときにすわって選んではいなかったと思います。
それから時代は移り、普段は自分や自分たちだけ過ごす場所に来客を招き入れる
リビングという間取りが一般的になりました。
他人が見るのでそれなりのデザイン性が必要となり、
長時間座るので座りここちがよいソファが必要となってきました。
しかし、製造しているのは応接セットメーカーがソファを作っているので
なかなか座りここちは改善されませんでした。
圧倒的なデザイン性や千年以上の椅子文化を誇るイタリア勢が高級ソファ市場を独占しています。
応接セットの進化系の国産ソファは長時間座るクオリティに届かず、
お尻を前に滑らせて床に座って背もたれとして長年使用されてきました。
最近はTRESのような海外ライセンスを経験したノウハウによりイタリア勢と
対抗するソファメーカーの台頭や国産技術でも耐久性や座りここちを向上させている
新興メーカーも現れてようやく本格的なソファ文化が花開き始めています。
TRESでソファに触れることによって、デザインがきれいで座ることが楽しみになる
ソファがリビングの生活には欠かせないと感じました。
そのことを少しでも伝えられるようにお客様に提案をしていきたいと考えています。
トレスでは豊富なサイズとデザイン、お好みの座り心地でソファをお作りし、
カバーは160種600色以上のファブリックからお選び頂けます。
また、クッションやカバー交換等のメンテナンスを行うことで
“一生もののソファ”として永くご愛用頂くことができます。
店内では様々なタイプのソファを常時20~30台展示しておりますので
是非座り比べてみて下さい。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
TRES THE SOFA TAILOR kanazawa
石川県野々市市三納1-37-1
TEL 076-259-5702
営業時間 11：00～18：30
定休日：水曜日
