こんなメモであっという間にできました 第2弾
TRESソファを製作している工場スタッフです。
TRESソファの根幹をなす無垢材の強固なボディ。
無垢材の材質の良さと丁寧な加工と十分な補強を施した組み立てが、
創業以来24年間1台も壊れたことのないTRES自慢のボディを実現しています。
毎日量産していますが、TRESは別注が多いので図面を正確に理解し営業マンからの
簡単なメモでお客様宅に収まるソファに仕上げるベテランの技術が支えています。
前回はメイプル材でダイソン掃除機のスタンドを作ってもらいました。
今回はビーチ材(ブナ材)です。ソファの背骨部分とウエービングのテンションを
十年以上受け続ける部分に使用しています。
日本では秋田県から青森県にかかる白神山地の天然ブナ林が有名です。
TRESが使用しているのはヨーロッパ産のジャーマンビーチです。
第2弾は録画用REGZA(1か月分の地上波を自動録画して貯めてくれます)と
保存用のハードディスク3台を載せるラックを、前回同様ソファと同じ無垢材で
作ってもらおうと10秒くらいでメモを書いて依頼しました。メモ以外の説明はしていません。
もったいないので端材(ソファ用の木材を切断後に出てくる長さが足りなくて使わない材料)を
使うようお願いしました。ブナは一般的な広葉樹よりかなり堅い木質で反りやすく癖のある材料です。
天干(テンカン:天然の乾燥)や人干(ジンカン:人工的な乾燥)を十分に行っていなければ
使いにくい材料です。手で持ってみると金属に近いキンキンなイメージです。
端材は1年を通じてできるだけストックしておいて冬の時期の作業現場の薪ストーブの材料となります。
ストーブで燃やせる材料は防虫処理を薬品ではなくスチームで行っていることが必須です。
そういう意味ではTRESのフレームは安全な材料で作られているのです。
このメモを渡して1時間くらいで完成のオーディオラックは以下のできあがりです。
ソファと同じ厚みのある無垢材(ビーチの4/4で約26mmの厚み)
きちんと面取りをして見た目も手触りも丸みがあり心地がいいです。ソファも同様全面面取りを施してあります。
メモにはない隅木もちゃんとついているので強度は十分
適度にオイルを塗いてくれているので一層手触りがいいですし、見た目も輝いています。
ついでにPanasonicのオートクッカーBistroの台も一緒に製作してもらいました。
オートクッカーBistroはカレーやシチューや煮物、炒め物にはとても重宝しているのですが、
使わないときはキッチンのかなりの面積を占領するので収納方法を考えていました。
一般的な鍋よりも大きくてキッチンの棚や引き出しには入りません。
そこでキッチンとダイニングテーブルの接続部の足元のデッドゾーン
に台を作って収納することにしました。
今回もソファフレームに使用しているキャビネットグレードの温かみのあるラックや台が完成しました。
前回同様ソファを作る時と同じような感じで、隅々まで撫でて作ったような面取りや
表面の磨きが感じられる満足の出来上がりでした。
加工から組み立て仕上げに気を遣っているのだろうなと安心しました。
あんなメモで完璧な製品。
2回目ですが、製品も前回よりは少し複雑な形状のラックと台です。
無垢材の丁寧なオイル仕上げはなんとも言えない温かみを感じます
(オイルを塗って一晩寝かせてもう一度ペーパーをかけてくれています)。
ラックの方はテレビの下に設置されているので常時視界に入ります。
テレビ台も20年くらい前に無垢材でつくってもらったものですが、
今の技術者ほど繊細なモノづくりではないのですが経年変化で味が出ています。
スタイリッシュでモダンなラックが部屋の雰囲気に合うような気もしますが、
ソファのフレーム材を使ったTRES特製の温かみのあるラックが私にとって最高の贅沢です。