スタイリングレシピ vol.96 「寿命が短いソファの見極め方」
- 京都店
住まいのリフォームにあわせてソファを。
お気に入りのソファを合わせるために仕上げられた空間は
トレスにも素敵な事例がたくさんあります。
その「リフォーム」という言葉から思い浮かぶのは
「何もない状態から作り上げる」のではなく
建物全体を支える基礎部分は取り壊さず上部をきれいな状態にもどす。
これはソファも例外ではなく
「10年後カバーを交換すれば新品と変わらない姿になる」そうなることが理想ですが
購入してから3年もたっていない、それなりのグレードの物でも以下のような声が聞かれます。
「座っているとバキッと大きな音がした」
「ギーギー、ミシミシと何かがきしむ音」
「子供がぴょんぴょんと飛び跳ねる遊具に」
「良い座り心地が持続しない、毎日座るたびにへこんでいく」
「ボロボロと粉が落ちてきて毎日お掃除」
「座らずにソファは背もたれ替わり」
ソファの購入の目的、使い方を明確に
ソファは、まず目的や使い方を明確にすることで
選び方の意識も変わると思います。
①2~3年、4~10年の消耗品として使う
②20~30年以上使う、一生物として使いたい
とくに②の20~30年以上使いたいとイメージされている方は、
一生物として付き合える物であるのか見極めることが大切です。
そのためにも寿命が短い(消耗品)ソファはどういう物なのか知る必要があります。
ソファは全体重を支える家具。
耐久性の高い材料、ソファを完成させる技術力と対応力が必要とされます。
ですが残念なことに、多くのソファは
「耐久性の低い材料」
技術ではなくパーツを組み合わせた「加工」により作られています。
購入時に素材や構造を分かりやすく説明を受ける場合もありますが
仮に説明が受けられたとしても、商品を販売する立場としてのスタンスに
アピールポイントが偏ってしまっているケースも。
住まいのリフォームのように繰り返しスタイリングをしながら
ソファとお付き合いいただくために
「寿命が短いソファの見極め方」についてご紹介します。
寿命が短いソファの見極め方
ソファ選びが「失敗」で終わらないために。
確認してほしいポイントをお伝えします。
POINT:01 ソファの「躯体」の素材を確認する
ソファの躯体の多くは「木枠」で構成されていて、全体の骨となる部分。
寿命が短いソファは、この木枠の大半が合板で仕上げられています。
合板は入手が簡単で加工しやすく、低コスト、
厚みや種類も選ぶことができ取り扱いが楽であることから
多くの家具に使用されています。
ただしソファの場合は別です。
ソファは大人から子供まで毎日座ったり寝転んだり「外力」がかかる家具。
合板を中心に仕上げられた構造では次第に外力に耐えきれなくなり
テンションがかかると折れ曲がることさえあります。
「座っているとバキッと大きな音がした」
このような症状はよく聞かれます。
さらに接着剤で貼り合わせられているものは透湿性能が悪いだけではなく、
木材が本来有している放湿性能もありません。
よく海外から日本にやってきた外国人は、初めて経験する湿気に苦労するといいます。
それと同じように何も対策がされていないソファの場合、湿気が原因で接着強度が落ちるうえに
カビも発生し劣化や強度の低下、臭いの発生も起こります。
もちろん内部で発生していることなので、見た目には実感できないことがほとんどです。
つまり湿気が多い日本では、環境に打ち勝つ構造が必要ということです。
POINT:02 クッション材と衝撃吸収材を確認する
ソファはかけた時に感じるファーストタッチと体に伝わる衝撃により
座り心地の感じ方が変わります。
✔クッション材について
・ウレタンフォーム
ウレタンは密度を確認しましょう。
比重が低いものはその「ヘタリ」が早く比重が高いものは「ヘタリにくい」となります。
ウレタンは、原油を原料に発泡剤・整泡剤などで気泡(空気の穴)を持つ構造になる反応を起こさせた素材。
低密度は空気の穴が大きく陥没や型崩れします。
「良い座り心地が持続しない、毎日座るたびにへこんでいく」
「ボロボロと粉が落ちてきて毎日お掃除」
こういったことが起きてしまうのは密度の低いウレタンの可能性も。
逆に高密度になると気泡が小さいため、反発力も強くヘタリにくくなります。
・フェザー
ファーストタッチは“ふんわり”柔らか。
いつまでもこの感触が続けばいいですよね。
ソファに使用されるフェザーは座り後を残さず、へたりを防ぐ弾性復旧性能や
水鳥の種類・洗浄や選別過程確認しましょう。
✔衝撃吸収材として使われている素材
衝撃吸収材として以下の素材があげられます。
・金属のスプリング
・ウェービングテープ
・板座
・金属のスプリング
スプリングにはS字スプリング、コイルスプリング、ポケットコイルスプリングがあります。
ソファには金属製の衝撃吸収材がポピュラーな素材。
支え方は点であったり面であったりと様々ですがポイントは耐久性。
耐久性は品質により異なりますが普通に使用して8年~12年、中には3~5年。
スプリングは長時間の使用により元に戻らない状態となります。
これが「へたり」です。
さらに「子供がぴょんぴょんと飛び跳ねる遊具に」
こういったことが再三行われると、バネが折れてしまい座面が落ちてしまうこともあります。
これは設計どおりの働きをしなくなることを意味し
いくら上部に品質の良い高密度ウレタンフォームをセッティングしていても
高低差がでるためせっかくの座面も凸凹に。
スプリング特有の
「ギーギー、ミシミシと何かがきしむ音」「ボンッ!」と何かが弾けるような音がした。
からはじまり座面から折れたスプリングが飛び出てくるのも時間の問題です。
・ウェービングテープ
体全体を支える衝撃吸収材として、背もたれ、アーム、座面など
力のかかる場所に使われる素材。
コイルスプリングやSバネと異なり金属を使用しないため、
軽い・ギシギシと音がしない・かさばらないなどの利点があります。
ウェービングテープといっても、素材も様々。
質の悪いものから良いものは入手が困難ですが耐久性がスプリングより格段に強くなります。
例えば画像のように広いピッチで貼られた物では品質はおろか、10年ともちません。
ただし素材の性能、張り方次第で長期的に安定した座り心地を期待できます。
・板座
ソファでいう板座とは
クッションの下部の座面が板になったタイプのこと。
そのため腰をかけた時に衝撃が直に体に伝わります。
ウレタンと羽毛の感触が生み出す座り心地のタイプです。
POINT:03 カバーの仕様を確認する
✔着脱ができるカバー
ソファは着脱ができるカバーと、できないタイプがありますが
最近では着脱できるタイプが増えてきました。
着脱出来れば、メンテナンスと中材を交換することもできますが
できないタイプは製造メーカーで状態を確認してもらうことになります。
交換が可能な場合は“縫製の仕上がり”もポイント。
斜めに縫われている、糸の後始末が雑なカバーは、
いくら生地がすばらしく着脱ができても形状が崩れやすくなります。
POINT:04 メンテナンス方法を確認する
長く使えるソファはメンテナンスにより蘇ります。
かかる時間と費用の目安を確認しておくことも大切です。
よくあるメンテナンス例
・カバーが破れた
・クッションがへたった
・ぐらつく、がたつく
・きしみ音がする
ソファは外から見えない部分が多いため、内部で何がおきているのか
気づかないことがほとんどです。
例えば価格が高いソファ=耐久性が強い
すべてが間違いではありませんが、「半分正解の半分間違い」です。
半分正解している部分は、品質の良い材料を使用し、
職人の手が加えられていることから作りは堅牢です。
しかし、その作りに関しても、用途をどう捉えて作らてれいるのかがポイント。
それぞれ同じ値段で販売されていても、用途によって特徴が変わります。
購入する際に、どのようなことを意識し作られた物なのか、
ということを知っていただけると、
希望に沿ったソファに出会う確率は各段に上がります。
・いつの時代も美しいと感じる意匠性
・研ぎ澄まされた構造計画
・長く愛用できる高品質な素材を使用
・熟練した職人による手仕事や丁寧な製法による精密な加工や仕上げ
・メンテナンスできる製造工法。部品交換や補修修理が人の手で出来る
その見極めができれば限りなく「一生もののソファ」が手に入るはずです。
ソファ専門店トレスでは
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TRES THE SOFA TAILOR kyoto
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