スタイリングレシピ vol.93 完成度の高いソファ選びを
- 京都店
「〇〇ホテルで見たようなソファを置きたい」
「ドラマのワンシーンのようなお洒落なL字型のあるリビングにしたい」
「長く使えるソファを選びたい」
様々な想いや期待ではじまるソファ選び。
選ぶ意識を持ち始めるとインスタグラムで「お洒落だな」と感じるソファをみつけたり、
お店のウインドウに飾られたソファが気になったり
言葉やイメージなどから様々な刺激を受け、
購入にいたるまでのプロセスを踏んでいきます。
ですが現在は昔と比べ、接触機会や選ぶ手段があふれる時代。
その分、自分が求めている物をきちんと見極める手段を知ることが大切になります。
さて、ソファはお店に飾られたソファやイメージだけで選んでもなかなか上手くいきません。
ひとつひとつ選んでいきます。
まず座り心地や寝心地を実際に体験して自分自身や家族、人を結びつけて確認。
設置する場所を想定して、形状、クッションの数、色、カバーそしてソファ脚です。
その際、目安にしてほしいのがソファと空間を構成するマテリアルを「結びつけて」選ぶという方法。
これはご新築で何もかも新しくする時も、買替る時も
取り入れられる選び方で、コツさえつかめば
生活のあらゆる場面で活かすことができます。
また結びつけて選ぶという認識ができると判断もスムーズ。
例えばご自宅で生地サンプルをみても「思っていたイメージと違う」とジャッジも早くなります。
ぜひ参考にしてください。
POINT o1:カラー同士を結びつける「メリハリと同化」
ソファは色を単体で見るのではなく、
空間全体の中でのバランスを見ながら色選びを進めるようにします。
中でも一番簡単で取り入れやすい方法のひとつが、
“メリハリと同化”の配色を使い分けるコーディネートです。
例えば明るい床色に対し、ダーク系の家具や素材を組み合わせるのが、
メリハリのコーディネート。
モダンでシャープな印象に仕上がります。
メリハリに対して近い色同士組み合わせて「同化」させること。
明るさや色合いを選ぶことで柔らかなグラデーションが生まれ、
空間全体がフワッと優しい印象にまとまるので
ナチュラル系やシンプルな雰囲気になります。
メリハリと同化、色を結びつけた事例を元にご紹介します。
床、壁、家具、ソファ脚の色味を結びつける
ホワイト系カラーでまとめると爽やかで、ぱっと明るくなりますね。
ソファ脚はアクセントになるパーツのひとつ。
木部の色をトータルで色調を合わせる事により、
違和感のない自然な空間を作ることができます。
床、家具、ソファの木部色を「同化」させた一例。
ご新築などで、お部屋のカラーを始めから選ぶことができる際に参考にしたい合わせ方です。
ベースカラーと明度差のあるクッション&チェアカバーでメリハリをつける
淡い配色の中に「明度差」のあるイエロー、オレンジ、グリーンで引き締めたコーディネート。
ここでのポイントはソファとは真逆の色合いをアクセントカラーとして選んだこと。
アクセントカラーの目安は5%。
3色をチェアカバーとクッションの色を結びつけた組み合わせで、
空間全体にメリハリが生まれました。
アクセントカラー(アイテム)を結びつける
壁や床に対して、ダーク系の色を合わせたコーディネート。
床や壁の反対色であるブラックを
階段、リビングテーブル、フロアライトに投入。
配色全体が引き締まり、モダンでシャープな空間に仕上がっています。
アクセントカラー(クロス&クッション)を結びつける
しっかりとした奥行のためのんびりとくつろげる〈GRVA〉。
アクセントクロスとクッションの配色を結びつけ
ブルー×ホワイトのメリハリきいたコーディネートです。
濃いブルーと白の組み合わせはともすれば冷たい雰囲気になりそうですが、
フローリングの木目で温かみがプラスされていますね。
パイピングでメリハリをつける
ふっくらとした座り心地と柔らかな曲線が上品な〈JD〉。
クッションのパイピングはお好みの生地から選ぶことができるため
同化させることもでき、メリハリをつけることもできます。
ホワイト系とブルー系で織り込まれた生地からブルーをチョイス。
しっかりとしたラインがアクセントになっています。
トレス公式ホームページのメニュー「納品事例」ではソファカラー絞り込み検索が可能です。
POINT02:素材同士を結びつける
室内は様々な素材で構成されています。
キッチンにはステンレスやタイルなど硬質な無機素材、
扉や床は温もりや親しみを感じさせる自然素材など、普段から身近に存在しています。
同素材を使えば安定感が出てまとまりのある雰囲気に
時には異素材を組み合わせて面白さを演出することもあります。
素材同士を結び付けた事例を元にご紹介します。
■自然素材について
自然素材は木材や植物など生命活動のある物質。
木材では木目の流れや色合いが変わる経年変化を側で感じながら過ごすことができます。
空間はやわらかで、暖かみを感じるイメージに仕上がります。
木材
丈夫で加工がしやすいのが特徴の木材。
フローリング、建具、家具などインテリアには欠かせない素材の1つです。
あらゆる素材との相性がよく、インテリアを問わず利用できる素材です。
草
草は例えば畳に使用されるイグサや藤(ラタン)、竹などの素材です。
通気性や保温性に優れており、ラグやソファ、床材まで、木材と同様に幅広く使用されています。
伝統的な日本建築、和風やアジアン風のインテリアによく合わせられている素材です。
紙
障子や壁紙などに使われることが多い素材。
照明のシェードとしても使われていることでおなじみ。
また椅子の座面にペーパーコードが使われていたりもしますね。
紙を採り入れると、紙そのものが持つ柔らかさがダイレクトに伝わるので
ソフトなカラーで統一されたインテリアに合わせやすいのが特徴です。
繊維:コットン、麻(リネン)、ウール
トレスではソファカバーのファブリックに自然素材(天然素材)が含まれています。
肌触りの柔らかいコットン、さらりとしたリネンなど。
吸水性など機能性も様々です。
ぜひ手にとっておたしかめください。
■無機素材について
無機質な素材は、自然の温かみが払拭された生命を感じられない素材になります。
クールでスタイリッシュな印象は、
和洋に関わらずどんなスタイルにもマッチします。
金属(ステンレス、チタン、真鍮など)
キッチンアイテムに収納家具、ドアのノブに使われることが多い素材です。
クールでモダンな雰囲気を作りやすく、人気も高い素材ですが
自然素材と合わせる時はちぐはぐな印象になりやすいため少し注意が必要です。
ガラス
窓ガラスをはじめ、テーブルや食器まであらゆるところに目にする素材です。
機能性もすぐれ、紫外線をカットするものから割れにくいもの。
昼間は柔らかい光沢で美しく、また夜は落ち着いた雰囲気を作り上げてくれます。
ソファテーブルとサイドテーブルの樹種を合わせる
アームとしても使えるテーブルがセットになった〈TB-M〉。
バックスタイルは神社の鳥居をイメージしてデザインされた端正な印象のソファです。
ソファフレームのウォルナットに合わせてサイドテーブルも同樹種に。
濃い茶色に赤味が混じり、絶妙なグラデーションがアクセントになっています。
無機質な石材の床に暖かな雰囲気のある有機質な素材と上手く組み合わせることで、
奥行きのあるバランスのとれたソファスタイルです。
濃い色の木材でソファテ脚とダイニングテーブルを合わせる
〈TB〉カウチセットに合わせた脚はブラウン系のダーク色に塗装されたもの。
ダイニングテーブルとまったく同じ樹種ではなくても、
似た系統の色味であれば自然とまとまって見えます。
木材は元々が自然由来のもののため、同じ樹種で合わせるのも難しい場合がありますので
色味を合わせるのもひとつの方法です。
ソファ脚とサイドテーブルを金属同士を合わせモダンな雰囲気に
ジュラルミン脚を合わせた〈TB〉カウチセット。
サイドテーブルはクロムメッキのフレームにホワイトガラスを合わせたコーディネートです。
異素材を合わせていますが、同じ無機素材同士。
クールでまとまりのある空間になります。
またサッシの縦ラインとソファのラインが上手く重なりバランスのとれた仕上がりです。
家具とソファ脚の色味を近づける
家具の色味に近い樹種として〈LSC〉の脚はメイプル材に、
トーンに違いはありますが同じブラウン系で合わせると
グラデーションが生まれ、ナチュラルな印象に。
柔らかさがほどよい抜け感になっています。
観葉植物もふんだんに使用せれ、生き生きとした雰囲気です。
ソファはカラダをゆだねる家具なので
まずサイズ感や座り心地がカラダにフィットしているかどうかを確認。
そして毎日何度もカラダを支える家具になるので中身の構造をチェックすることも忘れずに。
アナログですが、実際に体験していただくことが一番たしかな選び方です。
最後にソファをどのようなイメージに仕上げるか
決めて選ぶことで完成度が変わります。
そして迷われた時はパーツやカラーを結びつけて選ぶ方法を。
統一感をもたせる手段としても期待できます。
イメージにぴったりのバランスの取れた組み合わせを探し当て
完成度の高いソファスタイルを目指してみてください。