自宅での耐久試験
工場のスタッフです。
以前、自宅のソファを紹介しました。
自分で使うことにはいいすわり心地のソファに座る以外にも目的があります。


使ってみると意外な欠点や改良点が浮かび上がってくることがあります。
創業当時は機種も少なかったので社員の自宅に全部入れて型崩れやウレタンのへたり、生地の耐久性を確認していました。また、カバーを手洗いして洗って縮み具合なんかも確認していました。
生成りの生地は本当に原料を洗わずに使用しているものが多く、洗い終わった水はかなり汚れるものが多く、臭いのクレームの原因となるので、採用には至らないものもありました。
イタリア製はこういう点はかなりアバウトですのでこちらで確認をしながら選定していく必要があります。
今回はウールリッチな生地【MON】全4色を採用したところ、毛玉が出るとのクレームがあり、その生地の出荷を中止して自宅の座を当該生地に換えて半年くらい確認をしてきました。
毛玉は少々出るもののウールでは一般的な程度でしたので本日から出荷を再開しました。
生地名 MON(G type)
色 BE(ベージュ) / GR(グレー) / MGN(モスグリーン) / BL(ブルー)
組成 ヴァージンウール65%, コットン24%, その他6%, ポリエステル5%


市場で起きた現象は納品後、短期間でかなり大量の毛玉が出ていたので、生地に問題がないのか確認をしました。
生地によってはデニム(生デニムのようにごわごわしたもの)のようなものでしごかれると毛玉が出続けることはありますが、イタリアの工業規格の摩擦テストの数字は良好で、今回の実用試験でも問題がなかったので出荷生地リストに復活することができました。
自分で使ってみることはメーカーとして大事なことではないでしょうか?
創業時はボーナスも出せなかったのでソファプレゼント券を配布していた時期もありました。
なんとかして社員にすわってほしかったのです。
自分で使ってみることの重要さを認識してくれたかどうかはわかりませんが、長く使うことによってわかることがあることを自社の技術者には理解してほしいと思います。
なぜならTRESのユーザーはほとんどの方が10年以上、長く使う方は20年以上すわっているのですから。


