替カバーの大敵はオリジワ(折り皺)
TRESソファを製造しているスタッフです。
皆さんもそうだと思いますが、今年の夏は異常な暑さで大変な思いをしました。
体力維持を兼ねて早朝にウオーキングをしています。もう20年以上です。
毎年の気温上昇に合わせて、どんどん歩き始めの時間が早くなって、今では5時台に出発しています。
それでも日陰を選んで歩かないと日焼けをしてしまいます。
年齢も年齢なのでシミやシワにならないよう日焼け止めをスプレーします。
ソファ屋にとってもシワの発生は致命的な問題なることがあります。
特に革の替カバーをお届けするTRESでは重要なテーマです。
国産メーカーでは革のカバーリング(マジックテープ留めで交換が可能)を手掛けているケースはほとんどありません。
90%以上が「張りぐるみ」といって革をソファ本体に針で固定してある構造を採用しています。
革のカバーリングは高度な技術とセンスが必要でイタリアの一流メーカーしか手掛けていないと思います。
真似をしているところもありますが、「張りぐるみ」のようにぴったり張り付いたように見せることができるメーカーはほとんどないと思います。
TRESはイタリアソファトップブランドのライセンス生産によってノウハウを学び、25年間進化させてきました。
革のカバーリングが困難な理由の一つとして問題になるのがオリジワ(折り皺)です。
工場で革のカバーリングソファを完成させる場合は、カバーの完成時【縫いあがり】から折らずにつるしたような状態でキープして本体にかぶせます。
カバーを折りたたむと折った部分でシワになってしまい、2度と取れなくなります。
このままお客様のもとに届くとクレームとなり再製作しなければなりません。
高い革だと100万円以上の損失になります。イタリア製のファブリックでも同様な現象が発生するので、生地によっては革と同じように注意して取り扱う必要があります。
今回お話ししたいのは革の替カバーとしてお客様にお届けする場合です。
折ってお届けできないので大変です。
ソファのカートンを薄くしたような専用の梱包材にシワにならないように、肘の形状や背の形状をしたウレタンや発泡スチロールを抱かせて出荷です。
かぶせるのも営業マンが立ち会い作業を行います。
10年くらいファブリックカバーのソファを使用してから革に変更したいというお客様が最近は増えてきましたので、今後この革の替カバー出荷システムがますます活躍するのではないかと期待しています。
更に工夫をしてお肌同様シワがよらないようにお届けしたいと思います。