カバー交換における初心者ポイント
- 金沢店
- JD
- X
先日、替カバーのご注文をいただいたお客様のご自宅へ
初心者の私が行ってきました。
納品当日にお客様をお待たせすることなく、
万全を期すため、事前に工場へ行ってカバー交換の練習をしてきました。
ある工房でものづくりの製作に携わっていたこともあり、
生産している現場は何度来てもわくわくウキウキします。
そんなワクワクする気持ちを抑えつつ、気を引き締めて研修に臨みました。
私自身の備忘録も兼ねてカバーをかぶせる時に注意する
💡ポイント💡のいくつかをお伝えします。
◇最初は全体をまんべんなく少しずつかぶせていきます。
一番最初のポイントは、
カバーに付いている💡トリコットテープは剥がさずそのまま💡です。
カバーの内側についているマジックテープを保護するために予め張ってあります。
トリコットテープを最初に剥がして作業をすると
マジックテープがボディにくっついてひっかかってしまいますので
💡重要ポイント💡です。
次のポイントは💡全体まんべんなく少しずつ💡です。
はじめにどこか一部分をピッタリ合わせてしまうと他の部分が合わなくなってしまいます。
◇次にアームの角とアームの前面がきれいに見えるように合わせます。
この時のポイントは💡縫い代がどちらに倒れているか?💡です。
角は合ってるように見えてもカバーの内側にある縫い代が倒れている方向によって
見た目が変わってきます。
前述同様、背面上面の角を縫い代に気を付けながら角をつまみつつ、
下部の生地を下へ引っ張りながら位置を調整します。
この時、下記写真の通り、肘と背の角の部分もきちんとおさまっているか要確認です。
◇次は肘の内側と背の内側を張っていきます。
カバー全体をおおかた被せた後は、
冒頭でお伝えしたトリコットテープを少しずつ剝がしながら
マジックテープを肘の上部から下へ、背の上部から下へ
撫でるように張っていきます。
この時のポイントは
💡取り合えず張ってみて最後ゆがみが出たら少しずつ微調整💡を
念頭に置きながら張っていきます。
なぜかと言うと微妙な加減でカドの位置も変わってしまうため
最後まで張ってみないと生地の張り具合がゆるくないか、
カドの部分が微妙にずれてないか、気づくことができるからです。
座面にかかる部分のマジックテープですが、
この時はとりあえずまっすぐ張れていればOKです。
◇次に忘れがちな肘のくぼみ部分を張ります。
くぼんだ部分(凹部)にマジックテープがあるのは
X以外にGRVAの背面部分にもありますが
凹部のマジックテープがきちんと止まっているかで
形がきちんと出るかの分かれ目です。
◇そして裾のマジックテープを張っていきます。
GRVAのように裾にピンタックがあるとカドも分かりやすいですが
Xの裾には目途をつけるものがないため、たわまない程度に張っていきます。
この時、前述の座面部分のとりあえずまっすぐ張った状態のトリコットテープが
全体を張られたことで、引っ張られて歪んだりしていないか、も
一緒にチェックしながら微調整をします。
最後はフレームの裾で見えない部分でもあるため
ソファの底をぐるっと一周手で軽く撫でながら
張り残しがないか確認出来たらフレーム部分のカバーリングは終了です。
カウチセットはワンアームとカウチが合わさる
💡背のステッチ部分の高さも左右合っているか💡もポイントのひとつです。
今回、練習したXの特長としては、
サイドの肘部分は前から見るとひらがなの「へ」の文字を
90度立てたようなくびれのあるフォルムとなっております。
そのため、他のソファと違い背面の真ん中に
着脱用のファスナーがついているのが通常仕様です。
ですが、今回替カバーをご注文いただいたお客様は背面の真ん中ではなく、
下記写真JD他、サイドにファスナーがついたコンシールファスナー仕様を
Xのカバーに取り入れた別注仕様でした。
そのため、肘のへの字の折り返しの部分は
ファスナーを閉めにくい時がある、と聞いておりましたが
今回はスッと閉めることができました。
生地によっては伸びにくいものもございます。
その場合、工場で教わったポイントは
下記写真のようにファスナー同士を
💡少し内側に巻き込んだ状態で閉める💡と閉めやすいとのことです。
生産現場のベテランスタッフは下記の工程を15分程度でこなしています。
《 旧カバーを外す→→新しいカバーに交換→→外した旧カバーを畳む 》
私は初心者で今回の練習はカウチだったため
片肘はなく、ファスナーもないのに
カバーを掛けるだけで15分かかってしまいました。
私は15分もかかってしまったと感じましたが、
教えてもらったスタッフにこう言われました。
「速くカバーを掛けることが出来ても
見た目がきれいに掛かってなければ意味ないと思う。
15分でここまで出来たら大丈夫ですよ。」
その言葉を言ってもらえたおかげで、
「速さじゃない、丁寧に丁寧に…」
と、何度も自分に言い聞かせ、
丁寧なカバーリングを心掛け今回、納品当日に臨みました。
その日の詳細は下記よりご確認いただけます。
今回はXカバーリング記録をお伝えさせていただきました。
ソファそれぞれデザインは異なりますが
カバーリングの基本の手順はそこまで変わらないかと思います。
お客様がカバーリングされる際、少しでもご参考にしていただければ幸いです。
TRES THE SOFA TAILOR kanazawa
石川県野々市市三納1-37-1
TEL 076-259-5702
営業時間 11:00~18:30
定休日:水曜日