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TRESのソファに対する考え【ソファの生命線-すわり心地 07】

TRESのソファに対する考え
越村 武史

 

TRES THE SOFA TAILOR

私たちが創業以来守り続けているコンセプト-

それは、「美しいこと」「くつろげること」「品質の良いこと」です。

 

 

 

第7回目の今回は、裁断・縫製の話をしたいと思います。

前回は生地の品質や仕入れに関する事柄がテーマでした。そうなると、一歩進んで生地を形にする裁断・縫製を取り上げるのは必然とも言えますね。

 

私たちが生地にかける情熱を完結させる工程、それが裁断・縫製です。

 

大切な作業であるだけに、こだわりもたくさんあります。

細部まで挙げればきりがありませんが、基本としているのは、一枚一枚手で裁断を行うことです。

 

 

生地はハサミを入れると編み目にかかっている力が分断され、縮んでしまうことがよくあります。しかも、収縮の度合いは生地によって異なるため、TRESでは一台のソファに3種類ほどの裁断型を用意してその都度対応しています。

最近、試験的に高性能自動裁断機を使い始めました。まだまだ手作業の緻密さには及びませんが、将来的にソファカバーを気軽にお届けするためのコストダウンにつなげていきたいと考えています。

 

 

車もアパレルもフォルムの美しさで印象が決まります。

ソファも同じ。繊細なデザインを忠実に形にするためには、本体にぴったりフィットする立体裁断のカバーが欠かせません。

 

イタリア製ソファのカバーは、家庭でかぶせるのは無理ではないかと思うくらい〝パッツンパッツン〟です。しかしそれがウレタンで描いたきれいなラインを際立たせ、うっとりするくらいセクシーでカッコいいソファに仕上るのです。

 

TRESソファも美しいフォルムを追い求めてはいます。

しかしそこには日本ならではの事情もあります。

 

イタリア製ソファのカバーは一般的には洗えません。超がつくほどのジャストサイズに仕上げてあるので、洗うと二度とかぶせることができないのです。イタリアブランドのソファ売り場で尋ねてみたところ、数年使った後は交換用にカバーリングシステムを採用していると説明されました。つまり、洗うことは想定していないのです。

 

イタリア製生地の組成から推測すると、縮まないような洗い方(おしゃれ着用洗剤での手洗いや洗濯機の手洗いコースor ドライコース)でも1%~2%は縮みます。長さ2mのソファに置き換えると、2センチ~4センチほどカバーが小さくなってしまうことになります。そうなると、元のようにかぶせることはまず不可能です。

 

でも、ソファは毎日使うもの。ソファカバーもシーツのように清潔に保ちたいと思うのは当然で、きれい好きの日本人ならなおさらです。そこに、憧れの海外ブランドソファと日々の暮らしの小さなジレンマという日本ならではの事情が生まれるのです。

 

私が17年間愛用しているTRESソファは、これまでに何十回も洗濯機の手洗いコースやドライコースでカバーを洗っています。それができるようTRESソファのカバーはほんの少しだけ大きめにつくり、縫製も強化してあるのです。

 

 

また、家庭でもカバーをかぶせやすいように、ファスナーの開口部を大きめにし、縁を縫うロックミシンには2本張りのウーリー糸を使うなど細部まで工夫を凝らしています。

 

イタリア製ソファの歴史は長く、裁断技術やステッチの美しさなど、まだまだ学ばなければならない点が多々あります。しかし、日本は世界に冠たる工業技術立国であり、私たちが拠点を置く石川県もかつては高級ズボンやスカート、ブラウスの一大産地でした。TRESの裁断・縫製は当時の技術者が担当しており、創業時から高級アパレルの技法やアイディアを多く授けてもらいました。皆、70歳を超えていますが今も現役で、社内縫製技術者の育成にも一役買ってもらっています。

 

私たちがつくるのは、イタリア製ソファの技術に日本の裁断・縫製技術を加味した、日本人の心地よい暮らしに寄り添うソファです。

 

 

ぜひ、一度TRESソファにすわって、縫製を含めた仕上がりを眺め、触れてみてください。

 

 

 

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